お墓の隣の家
投稿者:海生 (3)
長編
2021/08/08
05:09
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子供は笑顔で答えた。
「知ってる?
この家の土地、元はお墓の霊を止める砦で、そこには巫女を生きながら埋めたって」
答えようとすると、呼び鈴が鳴った。
警察だった。
「すみません、お隣の家の一人暮らしのご老人が、ご自宅で亡くなられ、見つかりまして
何か事情ご存知であれば、教えてください」
彼女は思い当たる節はないが、その隣並びの家は店をやっていたから、買い物したことはある。その老人も店主だったから顔は知っていた。
子供が笑いながら答えた。
「今回の生贄はお隣さんだったね」
彼女はギョッとして聞いた。
「生贄ってどういう意味?」
「ママが楽しく生きていくための生贄。
そのおじさん、しらないだろつけど、ママいないときにさ、時々うちを覗きに来てたから。
この家に消されたんじゃない?悪さする人間だから。
他にうちに来てたおじさん達も、消えたしね」
笑いながら答えた子供の顔を見た。
よく見たら笑っていなかった。
全身黒のコーデに流行のボブカットの
子供は、颯爽とバイトに出かけた。
という。
その後
子供は就職で一人暮らしが決まり
彼女はその家に1人住まいでいる。
僕も来てくれと何度か頼まれたが
コロナ禍や色んな理由でキャンセルになり
行けていない。
いや
僕を立ち入らせないように
あの家がさせていると
僕は感じている。
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