廃墟の怪物
投稿者:イエティ (51)
すると何を思ったのか、悪友は車を降りた。
あいつの目の前に立ち、手を合わせた。
お札を破ってごめんなさい。成仏してください。お騒がせしてごめんなさい。
そんなことを言っていた。
あいつはずっと「ふしゅー、ふしゅー」と息を荒げていた。
すぐに車に戻り、俺たちは市街地に向かった。
誰も口を開くことはなかった。
走り出して30分ほど経っただろうか。
ようやくインターが見えてきた。
高速に乗り、最寄りの街を目指す。
すると急に、悪友は沈黙を破り話し出した。
「あいつずっとあそこに閉じ込められて可哀想だったよな」
「でももう出れたしいいかw 正樹、どこ行きたい?」
全身に鳥肌が立った。
正樹ってのはもちろん仮だが、俺の名前でも悪友の名前でも女の子たちの名前でもない。
知り合いにそんな名前のやつはいないし、そもそもこの車にそんな名前の人間はいない。
そして一人で語り出すが、話していることがおかしい。
「正樹はさあ、体でかいし暴れん坊だったからさ、西條さんに嫌われてたんだよねえ」
西條さんも仮名だが、一体誰の事なのかわからない。
知り合いにもそんな人はいない。
「西條さんに嫌われるとやっていけないじゃん?あそこの村」
「だから親父に殺されちゃったんだよね~」
「いやーでもさ、生前暴れん坊だったから化けて出るようになってさ」
「〇〇寺のじじいに封印されたんだって(笑)」
後ろで女の子たちが声を殺して泣いていた。
俺は手の震えを隠せずにいた。
「よし!〇〇(俺)、△△に行こう!」
悪友が言った。
△△というのは、じいちゃんばあちゃん世代より上の世代が言う、県内の繁華街の古い古い言い方だった。
子供の頃にぴっちゃんから聞いたっきり聞いたことがない。
悪友も含め、俺らの年代では知らない人の方が多い。
手形が消えないのが解せない❗
バフで磨いたんだろか?
グラインダーでも明かんかったのかな??
こりゃーきついね、のわりにあっさりとことが済んだのか逆にリアル…
みんな無事でよかった
ついてきた大男に悪友くんは気に入られたのかな?
あくまでも好意だったからあっさり済んだのかも
悪友くんはある意味罪な男ですね