焼身自殺の祟り
投稿者:イエティ (51)
そしてこれは実際にあった話で、俺たちの5つ上の代に”たつさん”と呼ばれる先輩がいました。
俺は会ったことはないのですが、地元の我々後輩たちにとっては、
その生き様が伝説化しているようなとんでもないヤンキーでした。
もちろんヤンキー漫画のような現実味のない最強武勇伝はありませんが、
仲間の為ならどんな不利な喧嘩でも買う、めちゃくちゃ強かったわけではないが
男気溢れる番長だったそうで。
そんなたつさんは、高校3年生の卒業式の前日に事故で亡くなってしまったのです。
当時の俺たちは中学2年生でしたが、名前と武勇伝は知っていたので、
憧れを持っていたやんちゃ坊主の我々はかなりショックを受けた記憶があります。
俺の兄が4つ上で、たつさんの死の直前まで一緒にいたらしく、詳しい話を聞きました。
たつさんは、卒業する前に文化ホールの真相を突き止めたいと言っていました。
自殺者の話を聞き、そんな不幸な幽霊は成仏させてあげたい、と言っていたそうです。
もちろん好奇心もあったと思いますが。
しかし呪われたらいやだなあ、とか思っているうちに月日は流れ、卒業式の3日前になりました。
たつさんは意を決して、文化ホールの幽霊を成仏させるべく、深夜の学校に忍び込みました。
メンバーはたつさんとその親友(Sさん)、そして兄です。
ほぼ廃墟となっている為か、裏山に面している1階の窓ガラスが割られており、
木の板が貼られているだけだったそうです。
「後で治す」といい釘を外し中に侵入しました。
兄は年下だったこともあり、見張りを任されます。
たつさんたちが侵入し15分ほど経った頃、兄の視界でピカッと何かが光りました。
「警備員か!?」と兄は周囲に目を向けますが、何も見当たりません。
車にパッシングされたみたいな感覚、と言ってました。
また5分ほどして、たつさんとSさんは出てきました。
Sさんは「おい!たつ!返事せえ!」と、
トボトボ歩くたつさんの背中をバシバシ叩きます。
兄は茫然とその姿を眺めていました。
Sさんはそのまま歩みを止めず、Sさんが力づくで止めようとしても、
ものすごい力で振りほどき、Sさんの呼びかけに答えることはありませんでした。
Sさんも兄も異様な状況に焦りと恐怖を感じながらも、
たつさんを一人にすることはできず、トボトボ歩き続けるたつさんの後ろをついていきました。
何かあったのは明白。
久しぶりのイエティさんの投稿に興奮して読み始めましたが、後味が悪いお話でした…
悲しい