「………(汗)…」
なんだか大失敗な結果になりそうなのがこの時点で確信を持てたのが悲しい…
「いらっしゃい…」
老婆に気を取られていたせいで見落としてたが、カウンター席にはマスターらしき中年男性が座っていた。
どうやらこの老婆とお喋りをしていたらしい。
だいたいこの老婆は客ではないようだ。
ひやかしというか要するに暇人。
例えば、マスターが駐車場の掃き掃除をしている時にこの老婆が通りかかる。
二言三言話してるうちに顔馴染みになり、それが立ち話になり、やがて店内に移行したのだろう。
勝手に決めつけてるがそうに違いない。
老婆が客が来たので退散しようとすると、
「また、寄りなよ!」
と、マスターは気さくに声を掛けていた。
老婆はそれには答えず、背中を丸めすごすご外に出て行った…
「おもしれえ婆さんだ…」
マスターがこちらに聞かせるように言った。
(全然おもしろくねえよ!むしろ気味悪いよ!)
こういってはなんだが下手したらホームレスすれすれ…
飲食店に簡単に招いていいものだろうか?
それに関連してる訳ではないが、店内に入って来た時から気になっていたことがある。
店内に漂う異臭が凄いのだ…
(なんだこの匂いは…猫でも煮てるんじゃないのか?…)
今の家系ラーメン屋で自前でスープを炊いてる店の獣臭ともまた違う匂いだった。
ひとりだったがガラガラなので好きな席を選ばせてくれた。
窓際の4人掛けのテーブルに座った。
なんとなくマスターと距離を取りたかった。
「決まった?」
「あっ、スミマセン…まだです…」
もうこの異臭に食欲など失せていた。
「いいよいいよ、ゆっくり決めなよ…」
そうしようにもメニューがないのに気づいた。
「えっと、メニューは?」
「そっち!→」
マスターが壁を指した。
























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