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ヒトコワ

おやすみさんによるヒトコワにまつわる怖い話の投稿です

スカベンジング
短編 2026/10/14 13:10 184view

ドアは、なぜか開けっぱなしになっていた。
隙間から、薄暗いキッチンが見える。

少しだけ躊躇したものの、私たちは家の中へ足を踏み入れた。

電気はついていなかった。
恐る恐る、部屋の中を見渡す。

そのとき物音がした。

「ワン!」

聞き覚えのある鳴き声だった。

コロだ。生きている。

「コロ!」

Rちゃんは安堵したように名前を呼び、駆け寄った。
暗がりの中で、コロが尻尾を振っている。
そんな二人を見ていた私は、ふと顔をしかめた。

鼻をつく、嫌な臭いが私を襲った。

「うっ……何これ」

形容し難い悪臭に思わず顔を背けた。

臭いのする方は、コロのさらに奥だった。

暗がりに、何かが横たわっている。
最初は、それが何なのか分からなかった。
グッと目を凝らし、少しずつ暗闇に目が慣れていく。

そしてそれが何なのか理解した瞬間、私は絶句した。

「嘘……」

顔はよく見えない。それでも分かった。

おばあちゃんだった。

私はその場に崩れ落ちた。

そのあとのことは、ショックのせいか、ほとんど覚えていない。

あれから五年が経った。

すっかり大人になった私は、ふとあの日のことを思い出した。
いや、思い出したというより、ずっと心のどこかで考え続けていたのかもしれない。

忘れた日なんて無かった。

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