庭には相変わらずコロがいたが、おばあちゃんは一向に出てこなかった。
「ここ一週間くらい、おばあちゃん留守だね」
心配になった私はRちゃんに話しかけた。
「今日の放課後、もう一回ピンポン押してみようよ!」
私は頷き、放課後になるのを待った。
結構な年配の方だ。体調を崩しているのだろうか。それとも……。
考えたくもない想像が、頭の中を駆け巡る。
終礼が終わると、私たちはいつも以上に急ぎ足でおばあちゃんの家へ向かった。
しばらくして、見慣れた家が見えてきた。
すると、私より一足早く着いたRちゃんが、家の手前で立ち止まった。
「あれ? コロがいない」
その言葉を聞いて、私も慌てて駆け寄った。
確かに、いつも庭にいるはずのコロの姿がなかった。
「これって……」
Rちゃんが不安そうに、庭の奥を指さした。
そこにあったのは、コロのリードだった。
先端がちぎれ、ボロボロになっている。
嫌な予感がした。
私たちは慌てて玄関のチャイムを鳴らし、扉を叩いた。
何度鳴らしても、返事はない。
もう五回は鳴らしていた。
引き戸にも鍵がかかっている。
どうしよう。
その時私は咄嗟に思い出した。
「あ、そうだ! 裏口!」
キッチンにつながる裏口は、普段から開いていることが多かった。おばあちゃんが、何かあったときのためにと、私たちに教えてくれていたのだ。
私たちは急いで家の裏へ回り、ドアの前まで走った。
「え、開いてる……」
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