話してるうちに段々と民家が建つ間隔が開いてくる…
下ってくる車やバイクはポツポツすれ違うが、これから上がっていく車はほとんどない。
峠をくねくね曲がりながら上がっていくと、見落としそうなほど目立たないバス停があった。
「こんなとこに家があるの?」
「ないんだけど、登山口があるから昼間の利用客はいるんだろうね」
「なるほど」
「ただね、ちょっと寂しい話を聞いたことある」
彼女が表情で先を即した…
「夜のこのくらいの時間にね、まれに一人で降りる女の人がいたりするんだって…」
「もしかして自殺志願者?」
「そう…山登りの時間じゃないし、滅茶苦茶軽装なんだって…そういう客を降ろした時は、バスの運転手が駐在所に連絡するんだって。この先の民家が密集した場所にあるんだけどね。取り決めができてるらしい」
「ああ…確かになんか寂しい話だね…」
実際、この辺りは県下最大の自殺の名所だった…
林道を抜けて道が平らになると一気に景色が開け湖が見えるようになる。
もっとも夜は暗くて車の中からは見にくいが…
湖が観賞しやすいスポットには無料で停められる駐車場があるのも便利だった。
一台も停まってない駐車場にとりあえず一旦車を入れて、隣接した東屋から暗い湖を眺めた。
「さっきの話を聞いたからかどうかはわからないけどさぁ…あの付近を通った時、林の中に誰かいたと思うんだけど…」
実は彼女はいわゆる見える人だった。
自分が心霊現象を一概に否定しないのは、彼女が嘘をついてるとは思えないからだ。
彼女は徐霊や浄霊はたぶんできないと言っていた。
たぶんというのはやり方がわからないからだ。
「女の人?」
「断言はできないけど、印象としてはそんな気がする…」
「ちょっと戻ってみる?」
見えないからこそ言える無責任発言だ。
でも、彼女は妙にあっさりそうしようかと賛同した。
そこも車を停めれる駐車帯があったので、車を降りてだいたいの当たりをつけてその付近まで行ってみた。
「この辺だと思うんだけど…」
自分は懐中電灯を持って彼女の視界が広がるようにアシストしていたのだが、その時にそこにあるのが不自然なものが目についた。
私は初めての心霊体験になるかとも思いながら、彼女にそれを教えた。
「うっ!…」

























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