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不思議体験

410410さんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

怪談にふさわしい夜に
短編 2026/10/12 21:57 137view

怪談話が好きなのは、自分にはいわゆる霊感がないからだ。

つまりはあくまで第三者のスタンスでのんきに聞けるのだ。

ハッキリ見たことはもちろん、もしやあれは霊だったのか?…というような微妙な体験すらなかった。

それでも巷には心霊話であふれている。
今や夏の定番を通り越し、YouTubeなどでは一年中心霊番組が更新されていた。

中には明らかに嘘ややらせを思わせる動画もあるが、真剣に怪談を語る輩は年々増えているようだ。今や怪談師って職業にもなっている。
嘘だとあからさまに糾弾するつもりもないが、本当かよって気持ちもないと言ったら嘘になる。

それでも怪談話にひかれるのは、自身でも体験してみたいとう憧れめいたものがあるのかもしれなかった…

ひとり、たまに会っては怪談話をする女性がいた。
彼女も怪談話が好きで、夜に寂しい山間の田舎町や峠をドライブしたりしながら怪談話を楽しむのだ。

全然色っぽい関係にはならない分、付かず離れずそれなりに長い年数のつきあいになった。

その彼女から、明日仕事が終わったら暇?と連絡が来た。
だいたい休みの前に合わせて会うようにしていた。
早起きを気にせずに深夜までドライブを楽しめるからだ。

こちらも支障はなかったので、じゃあ明日と話はまとまった。

彼女の職場近くのファーストフードの店まで迎えに行き、途中蕎麦屋で晩飯を食べた。
時期が6月だったため、6時くらいではまだ明るい。
その時間帯を利用して先に食事を済ましてしまおうという流れになった訳だ。
今夜はダム湖がある頂上まで行こうかと話していた。

店ではひとしきり仕事の愚痴など無難な会話をした。

店内は自分達しか客は居なかったが、格別不味い訳ではない。
単純に立地の問題だった。
五六台は停めれる駐車場がある店は仕事の途中によるドライバーがメインの客だろう。
だから昼食が稼ぎ時なのだ。
夜は閉まるのも7時と早いところからして、来たらラッキー程度なのだと思われた。

店を出る頃には空はブルーグレイに暮れていていい案配になっていた。

自販機で飲み物を買って、のんびりドライブを再開した…

「いきなり昨日の今日のお誘いということは、何か新しい話でも仕入れたの?」
「ううん、そうじゃないんだけど、ちょうど稲川淳二のYouTube観ててさぁ、心霊探訪したくなった…」
「出た、心霊探訪!」
稲川淳二がよく使うお馴染みの言葉だ。

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