そのとき
ギィィ……
鉄の扉が開く音が聞こえた。
ベッドの下から見えるのは誰かの足。
その足が、ゆっくりとこちらへ近づいてくる。
遺体をかき分ける音がする。
ガサ……ガサ……
近づいてくる
もうすぐそこまで来ている
お願い……!
見つからないで……!
その瞬間
遺体の隙間から、突然、血まみれの手が伸びて、
私の腕を、強くつかんだ。
「!!」
同時に、遺体の向こうから姿を現したのは、
血だらけで、白髪を振り乱した老婆。
老婆は、恐ろしいほどの笑顔を浮かべて、、
そして、私を見つめながら言った。
「お前は、もう逃げられない」
そこで、私は目が覚めた。
汗がびっしょりだった。
あまりにもリアルで、あまりにも恐ろしい夢だった。
目が覚めても、しばらく夢なのか現実なのか分からないほどだった。
うつ病は、誰にでも起こり得る病気。
心が限界まで追い詰められたとき、こんな夢を見ることもあるのだろうか。
あの頃の私は、夢の中でも逃げ続けていた。
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