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礎吽亭雁鵜さんによる都市伝説にまつわる怖い話の投稿です

怪しい家業
短編 2026/08/16 16:32 101view

大学2年の者なんですが実家の家業を継ぐべきか悩んでいます。
家業の詳細について話す前に私が幼少期から実家や両親に対して感じていた違和感から話させてください。

教育について
自分が小学生のときから算数や理科社会の成績が酷いものでもうちの両親は全く怒りませんでしたが国語の成績だけはかなり口うるさく叱責されました。
特に漢字の書き取りや誤字については間違った文字を何度も何度もノート2ページ分を泣いても喚いてもひたすら書かされました。
また学校から配布された漢字ドリルとは別のドリルをわざわざ買ってきては私にやらせていました。

さらに硬筆、毛筆両方とも父親から指導され幼いながらに自分は相当上手く書けているのではと思っておりました。
実際に習字の授業が始まるとクラスの誰よりも上手く書けており、先生からもコンクールに出そうと推薦いただきましたがなぜかその時はうちの両親が辞退してしまいました。
かなり偏った教育方針ではありましたが字を綺麗に誤りなく書けるという特技は大学受験でも大いに役に立ってくれたのでそれはそれで感謝しているところではあります。

また学業とは別の方面の教育も両親は力を入れていました。それは人の心に対する教育でした。
最初は道徳の本のようなものから入り、私の成長に応じて世界の寓話、倫理、哲学のようなものに触れる機会を様々提供してくれました。
それらは単に本を読み聞かせるだけではなく、時には遠くのお寺などに連れて行かれそこのお坊さんと禅問答的なことをしたり、夕飯どきに流れているテレビのニュースの内容についてお前はどう思うかを突然問われたりなど多角的な教育だったと今は感じます。

小さい頃はそのことに特に疑問もなく受け入れていましたが高校に入った頃には他のクラスメイトが親から教わっていることとは異なるような、なにかすごく特殊なことやらされてるのではと思うようになりました。

実家の経済面ついて
一般的には父親は朝外に仕事に行くものだと思いますが私は父が仕事に行くのを見たことがありませんでした。
しかし不思議なことにうちはかなり裕福でした。
都内の閑静な住宅地に庭付きの家を構えているほどなので相当に裕福だったのだと思います。
ですが父は平日も土日も外出せずにいつもほとんど家にいました。
なので私が学校から帰ると父は私の字の練習や心の勉強などにつきあってくれていました。
これも小さい頃はとても楽しくて嬉しかったのですが反抗期になるとわざと家に帰るのを遅くしてあまり父に関わらないようにしていました。
父は少し寂しそうでした。

来客について
うちは昔から来客が多かったです。
私は客人とお話しすることはほとんどありませんでしたが彼らは両親の友人ではなさそうでした。

年齢や雰囲気が両親とはかけ離れた人が多かったのです。
客人達は性別、年齢、服装などに共通性はなく両親の知人という感じはまったくしませんでした。
また彼らはうちに来ても食事などするでもなく父と応接室で歓談し、小一時間もせずに帰って行きます。
なんとなく中学の頃には多分彼らが父の仕事のお客様なのだろうと考えるようになりました。

さて話を戻しまして家業についてです。
つい先日父から家業を継がないかと持ちかけられました。
前述の通り私は父の仕事を何も知らないために当然説明を求めました。
父の説明によると父の家系は代々お札屋さんをしているそうです。
念の為誤解のないように補足すると「おふだ」の方のお札です。
信じがたいことにいわゆる霊能力者と言われるような方々のお仕事道具のお札を書いて売っている、そんな家系なのだそうです。
そんなものが仕事になるのかと聞くと数枚でサラリーマンの月給並みの金額で売れているとのことで目眩がしてしまいました。
またおそらく皆様も気になったであろうことを当然私も父に聞きました。
それは父には霊感みたいなものはあるのかですが、父はそもそも霊そのものを信じてもいないとのことです。
それでは父にとってお札はただの紙切れなのかと問うと、「自分にとっては何の意味も力もない紙片に過ぎないが、これを求める方々はうろんな存在に対して仕事をしている。何もかもが曖昧な状況下でこの札が彼らにとっての寄るべ、安心感に繋がるならと思うと真摯に取り組まねばと思い書かせてもらっている。150年続いているブランドなので責任を感じて真摯に仕事しているよ。」と答えました。

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