と呟いたそうです。
翌朝。
佐々木さんは、それまでが嘘だったかのように、元気になっていました。
そしてその日の朝、同じ病室にいた別の患者が、急に容体を崩して亡くなりました。
Aさんは、その知らせを聞いた瞬間、昨夜のことを思い出しました。
佐々木さんのところへ行くと、ベッドの横に置かれていた椅子は、もうありませんでした。
代わりに、空いたベッドが一つありました。
Aさんが、
「昨日の夜のこと……」
と言いかけると、
佐々木さんは首を横に振りました。
「言わないでください」
それだけでした。
そして佐々木さんは、空いたベッドを見つめながら、
「……僕の番だったんです」
と、小さな声で呟いたそうです。
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