運転手が突然
上半身ごと後ろを振り返り
「キミは俺の天使になるのかな?」
初めて見た運転手の顔。
目がギョロとして面長の50代くらいの男性。
薄笑いを浮かべて
太ももに腕を伸ばしてきて、恐怖と嫌悪感に反射的に避けました。
運転手は「ぐふふ」と喉から鳴るような笑い声をだしながら
体を前に戻しハンドルを握りながら
「誰もいない山に行こうか」
タクシーが走り出した瞬間
殺される!!
頭にそれだけが一気に沸き上がり
「ふざけんじゃねぇ!!クソヤローが!!はやく降ろせー!!!」
誰も座っていない助手席を後部座席から思い切り何度も蹴りました。
こんなに叫べるんだって言うくらい叫んで蹴り続けました。
タクシーは止まり
運転手からは先ほどの笑みは消え
こちらを睨み付けドスの効いた低い声で
「キミは天使じゃなさそうだ…今いくらある?」
「…2万」
「2万置いていけ、置いていけば降ろしてやる」
すぐに財布から2万を出し、差し出すと
運転手は奪い取りクシャクシャに丸めてしまい込んでいる姿を見て
タクシーのドアが開きました。
急いで飛び降りると、タクシーはすぐに走り去りました。
心臓はバクバクと鳴り
足はガクガクして立っていられず
その場に座り込みました。
タクシー会社も運転手の名前も見る余裕なく、
警察って思えないほど恐怖に頭は支配されてました。
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