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ヒトコワ

数多の心霊体験をしてきたさんによるヒトコワにまつわる怖い話の投稿です

つい最近起きた怖い話
長編 2026/08/03 11:28 237view

名前:数多の心霊体験をしてきた男
職業:大工→弁護士

これは俺に本当に起きた、幽霊なんかよりよっぽどタチが悪い「生きた人間」の怖い話、いわゆるヒトコワだ。くれぐれも見るには注意してくれ。
※文才がなくて見づらいところもあるかもしれんがそこはご了承していただきたいと思います。

俺は今でこそ弁護士をやっているが、前職は大工だった。何故大工から弁護士に転職したかというと、さっき話したトンネルでのヤバい出来事みたいに、大工時代に請け負う現場が心霊現象が多発する家とか、マジでヤバい物件ばっかりだったからだ。

「もうオバケは懲り懲りだ。法律と論理で解決できる、現実の世界で生きていく!」

そう決意して、嫌気がさしていた由緒ある大工の家業を辞め、死に物狂いで猛勉強して弁護士になった。実際、弁護士のほうが給料も良かったしな。

でもな、現実の世界には「幽霊より理不尽で怖い人間」が山ほどいたんだよ。
これは弁護士になってから、つい最近俺が実際に担当した依頼の話だ。

ある日の午後、俺の事務所に一人の女性が相談にやってきた。年齢は40代半ばくらい、身なりもしっかりしていて、少し疲れた顔をしているものの、どこにでもいる普通の主婦って感じだった。仮にこの人をAさんとする。

相談内容は「隣人とのトラブルと、異常な嫌がらせに対する慰謝料請求」だった。
よくある民事トラブルだ。俺は内心「オバケが絡まない、人間の普通の仕事だ」とホッとして、Aさんの話を聞き始めた。

Aさんが言うには、半年前に隣に引っ越してきた単身の男が、異常な行動を繰り返しているらしい。
毎晩深夜になると壁をリズミカルにコンコンと叩いてきたり、敷地の境界線ギリギリに気味の悪いDIYの柵を作ったり、得体の知れないゴミを積み上げてきたりして、精神的に限界だと言う。

「警察にも相談したんですが、民事不介入だと言われてしまって……先生、これが証拠の写真と、うちと隣の家の図面です」

Aさんはそう言って、分厚いファイルを出してきた。
俺は元大工だから、図面や間取り、家の構造を見るのは得意中の得意だ。
ファイルを受け取り、何気なくその「隣の家」の図面と、Aさんが撮った現地の写真に目を通した瞬間……俺は背筋にゾクッと冷たいものが走るのを感じた。

「……Aさん。この隣の家の図面、ずいぶん詳細ですが、どこで手に入れたんですか?」

俺はなるべく平静を装って聞いた。

なぜなら、その図面と写真に写っているものが、プロの俺から見て「あまりにも異常」だったからだ。

素人目にはただの嫌がらせの柵やゴミの山に見えるかもしれない。
だが、元大工の俺から見ると、それは「Aさんの家への嫌がらせ」なんかじゃなかった。

写真に写る隣人が作ったという不格好な柵や防音シートの配置、そして図面に書き込まれた隣の家の増築部分。それらはすべて、建築の知識を持つ人間が意図的に設計した「外からAさんの家の中を覗き込むための巨大な死角」を作り出すための構造になっていた。

さらに最悪なことに、境界線に積まれているというゴミの山は、よく見るとただのゴミじゃない。
Aさんの家の「寝室の窓」から外へ逃げ出そうとしたとき、絶対に開けられないようにつっかえ棒の役割を果たすように、ミリ単位で計算されて固定されていたんだ。

「これ……嫌がらせなんかじゃない。隣のやつ、Aさんをこの家に『閉じ込める』準備をしてるぞ……」

俺がそう言いかけた時、事務所の電話がけたたましく鳴り響いた。
受話器を取ると、受付の事務員からだった。少し焦ったような、押し殺した声だ。

「先生……いま、Aさんのご主人だと名乗る男性からお電話が入っているんですが。Aさんがそちらに伺っているはずだから、繋いでくれと……」

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