その日はサークルの飲み会があり、時計の針は12時を過ぎようとしていた…
とその時!
吉祥寺に住む友人から電話があった。
どうやら向こうでも盛り上がってるようだ。
「今から、お前も来いよ!」
終電の寿司詰め状態を考えると、それも悪くない。
彼のアパートは、吉祥寺の駅から15分と離れた場所にある。
酔いさましにと、井の頭公園を通る近道を選んだ。
池の廻りをテクテク歩いていると、ある異変に気付いた。
一定の距離感を保ち、後方を歩く人の気配。
静まりかえった漆黒の闇に、二人の靴音だけが響いてた。
思い切って立ち止まり、振り返ると10メートル後方に、サラリーマンらしき中年男性がこちらを伺っている様子。
もう、春だと言うのにスーツの上にはロングコートを羽織っていた。
街灯も無く暗がりの中だが、満月の光りに照らされ、僅かながらに確認出来る姿だ。
普通では無い…直感ながらに、そう思った。
とっさに足を早めてみても距離は拡がらない。
立ち止まれば、ヤツも止まる。
繰り返す度に苛立ちが込みあげて来て、我慢出来ず、振り返りヤツを怒鳴った
「テメェ!フザケやがって、ナメてんのか!!」
その瞬間…確かでは無いが、月を背にしたヤツの顔がニヤリと笑った様に感じた……
一歩、そしてまた一歩と近づいてくる男。
どうやら眼鏡をしている様子。
暗闇の中、不気味に光って見えた。
二人の距離は、既に2メートルほどに接近しているだろうか?
笑っている…白い歯を剥き出しにし、ゆっくりとコートに手を忍ばせた。
男は何かを取り出す…それを握り締めたシルエットを月あかりが照らす。
























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