「お~い!ババア~!出て来いよ~!」顔を見合わせた…。
父親の仕事関係で、度重なる引越しを余儀なくされていた。
私達が仮住まいとして身を置くことになった場所は、東京の下町。
当時、高度成長期をむかえていた東京23区は大幅な区画整理を行い、都営管理の元にあった古家は次々に立ち退きを強いられていた。
その中で、残り少ない昔ながらの風情を感じる長屋の一角だった。
人間味溢れる人ばかりで家族の様に付き合っていた。
しかし、中には例外も存在する。
向かいに住んでいる50代の女性だが…気がふれていたのだ…。
近所の悪ガキが家の前で叫んでいた「ババア!気違いババア!」
すると…白い着物を着た女性が、デバ包丁を両手に握り玄関を飛び出て来た!
「クソガキ殺すぞ!」
振り回すが害を与え無いらしい。
なんでも話によると、家族は不慮の事故により亡くなり女性一人が残されてしまった。
その後の生活で孤独感から、気がふれてしまったと言う。
いつも出て来る女性が、その日は音沙汰無かった
…恐る恐る中を除くと…
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