「じゃあ、彼女になってよ」
このくらいなら言い訳も何もないだろう。
好みじゃないと言われるかもしれないが。
「わたしでよければ、あなたが生きてる限り彼女でいますよ。
恋人って――いい響きですよね」
予想外ににこやかな笑顔で答えてくれた。
「あっ、カップラーメン作りますね、さっきのはわたしが食べちゃいましたから」
立ち上がるとカップラーメンを持ってきてお湯を注ぎ始めた。
そもそも、俺の常備品なんだけどな。
待ってる間、少し話をした。
困ってる人間をたくさん助けたいらしい。
そんな話をする彼女は輝いていて、俺がもう失ってしまった夢があるのだろう。
「できあがりましたよ」
嬉しそうに手渡してくれたカップラーメンを、俺はありがたくいただいた。
彼女は「美味しいですか?」なんてにこにこと話しかけてくれた。
カップラーメンなんて誰が作っても大差ないはずなんだけど、気持ちの問題だろうか、なんだか美味しく感じた。
「美味しいよ、ありがとう」
俺も素直な気持ちを口にした。
「あなたの寿命はあと5分ですから、最後の晩餐を味わって食べてくださいね」
彼女は相変わらずにこにこしている。
「……5分? なんで?……」
本気か冗談か判断に困ったが、たぶん嘘じゃないと感じた。
「そうなんですよ、もう定時になるので帰らなきゃなんですよ。
わたしは新人だから、まだ残業が認められてなくて……」
「そんなの、今日は帰って、また来てくれればいいだろ」
「ダメですよ。 わたしはあなたの彼女なんです。
恋人っていうのは常に一緒にいなきゃいけないものなんです」
彼女は隣に座って、俺の腕に抱きついてきた。
「寿命は取らないって――」
「はい、破棄しました」


























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