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呪い・祟り

猫鬼 李桜鑼_1412さんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

グループトークで
短編 2026/05/25 18:16 155view

私が入学した高校には、少し変わった「決まり」があった。
クラスごとに作られる連絡用のグループトーク。そこには、担任の先生も含まれる公式のものとは別に、生徒だけで作られる「裏グループ」が必ず存在した。

私が所属する1年B組の裏グループの目的は、連絡網ではない。
クラスの「標的」を1人決め、その人間に対する愚痴や、隠し撮りした写真を共有して全員で嘲笑うための場所だった。

その月の標的は、おとなしくて目立たない「木下」という女の子だった。
グループの主導権を握っているのは、クラスの巻き巻き髪が特徴的な女子グループのリーダー、美咲。

美咲が「木下、今日の服ダサすぎ」「話しかけたら挙動不審でウケる」とメッセージを送ると、クラスの全員が「それな!」「ウケる」と一斉にスタンプを返す。

私もその1人だった。いじめに加担したいわけではない。ただ、スタンプを送らなければ、次は自分が標的にされる。それが怖くて、ただ周りに合わせてスマホの画面をタップし続けていた。

木下さんへのいじめは、徐々にエスカレートしていった。
教科書がゴミ箱に捨てられたり、机に落書きをされたり。それでも彼女は、一言も文句を言わず、いつも俯いて耐えていた。

そんなある日、突然、木下さんが学校に来なくなった。
それから3日、1週間と彼女の欠席は続いた。クラスの中には「もしかして私たちのせい?」と、少し気まずい空気が流れ始めた。しかし、美咲だけは「メンタル弱すぎ」と、グループトークで彼女を笑いものにし続けた。

木下さんが休み始めて2週間が経った、ある日の深夜。
私のスマホが、激しく通知音を鳴らした。時計を見ると、深夜の2時13分。
画面を開くと、あの裏グループトークだった。
驚いたことに、メッセージの送り主は、ずっと学校を休んでいる「木下さん」だった。
木下さんがグループにメッセージを送るなんて、これが初めてだった。
画面には、短い一言だけが、恐ろしいほどのスピードで連投されていた。
『みつけて』
『みつけて』

『みつけて』
『みつけて』
瞬く間に、画面がその4文字で埋め尽くされていく。
深夜の静まり返った部屋で、スマホが「ポポポポポン!」と異常な音を立てて通知を刻み続ける。恐怖で心臓が跳ね上がった。

次の瞬間、美咲がグループに書き込んだ。
「夜中に何これ?ウざいんだけど。てか学校来ないくせに何アピール?」
美咲のメッセージが送信された直後、木下さんの連投がピタリと止まった。
数十秒の沈黙。

そして、木下さんから1枚の写真が送られてきた。
それは、真っ暗な部屋の片隅を写した写真だった。
画質が異常に悪く、ノイズだらけの画像。よく見ると、暗闇の中に、ぽつんと「何か」が転がっている。
丸くて、髪の毛が長く、こちらをじっと見つめている……人間の頭。

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