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都市伝説

はち男さんによる都市伝説にまつわる怖い話の投稿です

俯き街
長編 2026/05/22 22:55 125view

その直後、健太の息が止まった。

「山本…後ろ…」

振り返ろうとした瞬間、俺の肩に冷たい手が置かれた。

ケタケタケタ「見つけたよ…」

耳元で笑い声が聞こえ、俺は振り返った。目を見開いた老婆が、歪んだ笑顔で俺を見下ろしていた。

「健太!逃げろ!」

俺は叫んだが、もう遅かった。老婆の手が健太の顔を覆った。健太はもがき、悲鳴を上げようとしたが、声が出ない。そして、健太の体が闇に溶けていくように見えた。

「これで一緒だね」

老婆が静かに言った。

次は俺の番だ。老婆の顔が俺に近づく。腐ったような息が顔にかかる。

「こっちに来い」

その瞬間、俺は全力で老婆を突き飛ばし、走り出した。どこへ向かっているのかもわからない。ただ、走るしかなかった。

突然、足が地面を踏み外した。崖から転落する感覚。そして、暗闇。

気がつくと、俺は森の入口に倒れていた。夕日が沈みかけている。

「あれ…?俺、どうしてここに…」

記憶がぼんやりしている。確か四人で森に来たはずなのに、なぜか一人でいる。頭が痛い。

家に帰ると、母親が心配そうな顔をしていた。

「どこに行ってたの?遅いじゃない」

「友達と…森に…」

言葉が続かない。友達?確か誰かと一緒だったはずなのに、顔も名前も思い出せない。

次の日、学校に行くと、クラスにはいつも通りの顔ぶれがいた。でも、何かが足りない気がする。三人分、席が空いているような気がするが、誰も気にしていない。

「おい、山本、昨日どこ行ってたんだ?」

隣の席の男子に聞かれた。

「森に…友達と…」

「え?一人で森に行ったのか?変なやつだな」

彼は笑った。どうやら、健太も拓也も翔太も、このクラスにはいないらしい。いや、そもそもそんな友達は最初からいなかったのか?

時が過ぎ、記憶は薄れていった。ただ、夜になると同じ夢を見る。俯き街を逃げ回る夢。そして、最後に闇に消えていく三人の影。

「山本…何で置いていったの…」

「約束したのに…」

夢の中で、みんなが囁く。目を覚ますと、枕は涙で濡れている。

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