私は怪談・都市伝説なんかが好きで、よくそういった話を友人と話している。今日はその友人・雪乃と学校で異世界に関する話をしていた。
私(紬)「異世界ってどんな所なんだろうね〜」
雪乃「うーん…鏡みたいな、私達の居る世界と反対みたいな世界とか…?」
そう話していると、ふと思い出したように雪乃が話しだした。
雪乃「『エレベーターゲーム』って知ってる?」
私(紬)「知ってる〜。あの少しずつ上がっていく奴ね!」
エレベーターゲーム。それは十階の建物で誰にも見られない様にして必ず一人で行う、有名な異世界へ行く方法だ。まずエレベーターに乗って四階のボタンを押す。その後二階に戻り、次は六階のボタンを押す。また二階に戻り、今度は十階のボタンを押す。そして五階に戻る。この時、女性が乗り込んでくるが絶対に話しかけてはいけないという。最後に一階のボタンを押して十階に行けばそこは異世界である。
簡単に言えば、
4→2→6→2→10→5(女性が乗り込んでくる)→1 10(異世界)
この順番にエレベーターで上がって行けばいいということだ。けれど、このゲームは失敗すると二度と帰って来れなくなると言われており、あまりお勧めはしないだろう。
私(紬)「エレベーターゲームがどうかしたの?」
雪乃「他の異世界に行く方法で似た様なものがいくつかあるんだけど、もしかしたら異世界に行く方法って何か決まったルールがあるのかもって…」
私(紬)「つまり?」
雪乃「そのルールに沿って行動すれば、どこでも異世界に行けるんじゃないかと思ったんだ。例えば、『学校の階段』とか…」
私の学校の階段は十二段。エレベーター同様、鏡もある為もしかしたら上手く行くかもしれない。だが、失敗した時の代償が大きすぎる。
私(紬)「まさか…試すつもりは無いよね…!?」
雪乃「やらないよ!危ないし〜」
その日はこれで話は終わり、各々帰宅した。けれど、私は家に帰ってもずっと気になっていた。学校の階段で異世界に行く方法。私は、もやもやとしながら夢の世界へ引きずり込まれていった。
けれど、数時間経って目が覚めてしまった。…どうしても気になる。私は起き上がって、ふらふらと夜の学校へ歩き出していた。
闇に包まれた世界。ぽつぽつと星が仄かに光を放ち、とても静かで心地よい風が吹く。寝ぼけていたので裸足で来てしまったが、そんな事はどうでもよかった。
学校に着き、なぜか開いている門を気にも止めず校舎の中へ入って行った。夜の校舎は昼間とは違い、暗く澱んだ重苦しい雰囲気を出していた。
そして、私はエレベーターゲームの方法を思い出しながら、異世界に行く方法を試し始めた。
階段を四段目まで登って、二段目まで降りる。次は六段目まで登ってまた二段目まで戻る。八段目まで登り二段目まで戻る。十段目まで行き二段目まで戻る。十二段まで行って六段目まで戻った時だった。
雪乃「紬(私の名前)?」
其処には、雪乃の姿があった。けれどエレベーターゲームでは、途中で女性に話しかけられても反応してはいけない。私は声をぐっと堪えながら、十二段目を登り切り鏡を見た。
…鏡の向きが逆だった。
さっきまで右側にあった鏡が左側にある。階段に貼ってあった新聞の文字がごちゃごちゃになっている。
「ギ〜ンゴ〜ンガ〜ンゴ〜ン」


























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