だが家族の証言が残っている。
投与後、腫瘍マーカーが一時的に低下した。
医師は偶然だと言った。
だが三度繰り返された。
偶然が三回続く確率は、どれほどだ?
その患者は亡くなる直前、
こう呟いたという。
「効いてる気がするんだ」
そして穏やかに息を引き取った。
もしプラセボが、ただの錯覚なら、
なぜ免疫細胞の数が変わる?
なぜ炎症反応が抑えられる?
最近の脳科学では、
期待や予測がドーパミン系を通じて
全身に影響を及ぼすとされている。
だがそれは裏を返せば、
思考が肉体を書き換えているということだ。
都市伝説めいた話もある。
ある地域で、偽のワクチンが
流通した事件があった。
後にそれは生理食塩水だったと判明した。
だが、その地域だけ感染率が低かった。
もちろん統計上のブレだと説明された。
だが住民は口を揃えて言った。
「打ったから大丈夫だと思った」
それだけで、行動が変わったのかもしれない。
手洗い、距離、睡眠。
だがそれ以上に、
体が“守られている”前提で動いた。
信じることは、防御になるのか。
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