偽の鎮痛剤で脳内のエンドルフィンが分泌され、
ナロキソンで打ち消されるという実験。
つまり脳は、嘘の薬に対しても
本物と同じ化学反応を起こしている。
ここまでは科学の話だ。
だが、俺が震えたのはその先だった。
ある被験者が、医師にこう言ったという。
「先生、この薬、効きますよね?」
医師は笑って答えた。
「ええ、きっと効きますよ」
その一言だけで、数値が変わった。
血圧、炎症マーカー、痛覚閾値。
統計的に有意な差。
つまり、“信頼”が引き金になった。
だが、もし逆だったら?
効かないかもしれません、と言われたら。
実際、否定的な説明を受けたグループでは
副作用の発生率が跳ね上がったという。
偽薬なのに、吐き気や頭痛が出る。
これをノセボ効果と呼ぶ。
だが友人は言った。
「俺はな、あれは副作用じゃなくて、
命令だと思ってる」
命令?
「脳がな、自分に命令してるんだよ。
“症状を出せ”って」
人間の身体は、意識よりも
ずっと従順なのかもしれない。
さらに奇妙な話がある。
終末期患者に対し、偽の抗がん剤を投与した事例。
もちろん倫理的に公にはされていない。
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