奇々怪々 お知らせ

不思議体験

ジョーさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

トンネルの向こう
長編 2026/01/19 18:26 647view

『きさらぎ駅』――

ネットで語り継がれる、異世界に繋がる駅の話です。

そこに迷い込んだ者は二度と戻れないと言われています。

私はまさかと思いましたが、この不気味な空気と異様な状況、
そしてあの老婆の姿が、その怪談を思い出させたのです。

携帯はまだ圏外のままです。

助けを求める方法がない以上、この駅で何か手がかりを見つけるしかありません。

私は駅舎に近づきました。

木製のベンチが一つだけ置かれ、錆びた看板が風に揺れています。

ホームには誰もいませんが、線路がどこかへ伸びているのが見えます。

時刻表もなければ、駅員の気配もないのです。ただ、静寂が耳に痛いほど響きます。

その時、遠くから低い音が聞こえてきました。

ゴトゴト……電車です。

私はホームに立ち、音のする方向を見ました。

一両編成の古びた電車が近づいてきます。

でも、車両には行き先が書かれていません。

不気味な予感がして、私は一歩後ずさりました。

電車がホームに止まり、ドアが開きました。中は真っ暗で、乗客の姿は見えません。

乗るべきか迷いましたが、本能が「これはダメだ」と告げていたのです。

私は息を殺してその電車を見送りました。

それから何時間か、似たような電車が何度もやってきました。

一時間おきくらいでしょうか。

どれも行き先がなく、ただ静かに止まっては去っていきます。

私はホームのベンチに座り、じっと耐えました。

7/9
コメント(0)

※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。

怖い話の人気キーワード

奇々怪々に投稿された怖い話の中から、特定のキーワードにまつわる怖い話をご覧いただけます。

気になるキーワードを探してお気に入りの怖い話を見つけてみてください。