空は薄暗いままで、朝も夜も分かりません。
時間の感覚が狂い始めていたのです。
どれだけ経ったでしょうか。
疲れと恐怖で意識が朦朧とする中、また電車が来ました。
今度は違いました。
車両の側面に「高瀬行き」と書かれています。
高瀬――私が旅を始めた町の名前です。希望が湧き、私は急いでその電車に飛び乗りました。
車内はがらんとしていて、他の乗客はいませんでしたが、
そんなことは気になりませんでした。
シートに座り、目を閉じると、電車が動き出しました。
次に目を開けた時、私は見慣れた駅のホームに立っていました。
高瀬駅です。
朝陽が昇り、遠くで車の音が聞こえます。
私は無事に帰ってきたのです。
携帯を見ると、日付が飛び、3年が経過していました。
現実では、私は行方不明者扱いになっていたのです。
家に戻ると、家族は涙ながらに私を迎えました。
母は老け込み、父は「遥」と何度も私の名前を呼びました。
でも、私はあのトンネルの中で怪我をした人たちのこと、
そしてあの老婆の不気味な姿が頭から離れません。
あの運転手や乗客たちはどうなったのでしょうか。
無事に助かったのでしょうか。
それとも、私のようにどこかへ迷い込んでしまったのでしょうか。
今でも、時折あの霧咲駅のことを夢に見ます。
あの静かな不気味さと、トンネルの暗闇が、私、佐藤遥の中で消えることはありません。
この話は怖かったですか?
怖いに投票する 4票
























※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。