足元を見ると、鉄の棒が彼の両足を貫いて血だまりができていたのです。
生きているのかさえ分からないほどの重傷でした。
「助けてください……」と小さな声が聞こえてきました。
運転手が目を薄く開けて私を見ていたのです。
「無線で助けを呼んでください!」と私は叫びました。
彼は弱々しく首を振りました。
「無線……繋がらない……電波が……」彼の声は途切れがちで、苦しそうでした。
私は自分の携帯を取り出しましたが、案の定、圏外だったのです。
トンネルが崩落して閉じ込められました。助けを呼ぶ手段がありません。
私は運転手に近づき、彼のポケットから懐中電灯を見つけ出しました。
「外に助けを求めに行きます。待っていてください」と言うと、彼は小さく頷きました。
車両のドアは潰れて開きません。
非常用のハンドルを探し、力任せに回してこじ開けました。
金属が軋む音とともに隙間ができ、私はそこからトンネルの中へ這い出しました。
懐中電灯の明かりを頼りに進むと、崩れた岩や鉄骨が道を塞いでいます。
空気が重く、埃っぽい匂いが鼻をつくのです。
それでも、どこかから風が流れているのを感じました。
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