奇々怪々 お知らせ

不思議体験

ジョーさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

トンネルの向こう
長編 2026/01/19 18:26 529view

足元を見ると、鉄の棒が彼の両足を貫いて血だまりができていたのです。

生きているのかさえ分からないほどの重傷でした。

「助けてください……」と小さな声が聞こえてきました。

運転手が目を薄く開けて私を見ていたのです。

「無線で助けを呼んでください!」と私は叫びました。

彼は弱々しく首を振りました。

「無線……繋がらない……電波が……」彼の声は途切れがちで、苦しそうでした。

私は自分の携帯を取り出しましたが、案の定、圏外だったのです。

トンネルが崩落して閉じ込められました。助けを呼ぶ手段がありません。

私は運転手に近づき、彼のポケットから懐中電灯を見つけ出しました。

「外に助けを求めに行きます。待っていてください」と言うと、彼は小さく頷きました。

車両のドアは潰れて開きません。

非常用のハンドルを探し、力任せに回してこじ開けました。

金属が軋む音とともに隙間ができ、私はそこからトンネルの中へ這い出しました。

懐中電灯の明かりを頼りに進むと、崩れた岩や鉄骨が道を塞いでいます。

空気が重く、埃っぽい匂いが鼻をつくのです。

それでも、どこかから風が流れているのを感じました。

5/9
コメント(0)

※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。

怖い話の人気キーワード

奇々怪々に投稿された怖い話の中から、特定のキーワードにまつわる怖い話をご覧いただけます。

気になるキーワードを探してお気に入りの怖い話を見つけてみてください。