生きている?死んでいる?
何かの病気?それとも怪我で動けないとか。
血は出ていないようだけど…
どうして周りにいる大人の人たちは何もしないの?
疑問が次から次へとあふれ出てきましたが、恐怖のあまり足がすくんでしまって、ただじっとその光景を見つめることしかできませんでした。
「あのっ…………!」
そのとき、隣のマナミちゃんが急に声を上げ、私はびっくりして彼女を見ました。私の視線を抗議だと受け取ったのか、マナミちゃんは小声で囁きました。
「だって、見て見ぬふりしちゃダメでしょ…!
人が…倒れてるんだよ?」
それもそうだ。
私も喉が震えるのを何とか抑えつけて、声をしぼり出しました。
「大丈夫ですか…?」
私がそう言ったとき、下を向いたままだった四人の男女が一斉にこちらを向きました。全員、目を見開き、眉をひそめて、ひどく怒っている様子でした。
黒髪を一つに縛った中年女性が口を開きました。
「大丈夫ですから。」
うんざりしている、といわんばかりの声色でした。他の三人はただ無言でこちらを見ています。
「で、でも、人が倒れていて……。
救急車とか、呼んだ方がいいですか?」
「…………。」
「あの、」
「大丈夫ですから!!!!!」
辺り一帯に響くような、耳をつんざくような高音で、女性が叫びました。
明らかに怒っていました。子どもの癇癪のようにも聞こえました。
その時の女性の顔は、まさに鬼の形相といった表情で…。
いよいよ怖くてたまらなくなり、私たちは手を繋いでその場から走り出しました。
時折後ろを振り返りながら、無我夢中で来た道を引き返しました。あの人たちが追いかけてくる様子はありませんでした。
走り疲れて、息が切れ始めたころに、
私は立ち止まってキッズ携帯を取り出しました。
電話をかけました。
警察に。

























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