最近になって、ふと思い出した。
あのおじさん、
帰り道では一度も見たことがない。
夕方も、雨の日も、
友達とふざけながら帰るときも、
朝以外にいた記憶がない。
そもそも、
あの人は何時から立ってたんだろう。
通学時間ぴったり?
それとも、もっと前から?
……今思うと、
あの質問をされた朝だけ、
登校班の他の子が誰もいなかった。
たまたまだと思ってた。
でも、
もしあれが「挨拶」じゃなくて、
確認だったとしたら。
信じるかどうかじゃなくて、
「こっち側かどうか」の。
そう考えると、
あの人が朝にしかいなかった理由だけは、
なんとなく分かる気がする。
………
大人になってから、地元に帰ったときのことだった。
居酒屋で、昔話になって、
何気なく聞いた。
「そういやさ、通学路に毎朝立ってたおじさん、おったやん」
すると、場の空気が一瞬だけ止まった。
一番年上の人が、声を落として言った。
「ああ……あの人な。
地元じゃ有名やった」
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