「ハァ、ハァ。マジかよ……。」
「ね、言った通り、だったでしょ……。」
人通りの多い場所に出て呼吸を整え、2人とも無言のまま帰宅した。
そして今夜も影が再び現れることはなかった。
⸻⸻⸻
翌朝。
ピンポーン。
身支度をしていると玄関のチャイムが鳴った。
(こんな時間に誰だろう?)
何となく疑問に思いながらドアを開ける。
ガチャッ。
誰もいない。
イタズラだと思いドアを閉めかけた、その時。
門の前に黒い影が立っていた。
ドクンッ!ドクンッ!ドクンッ!
心臓の音が自分の耳で聞こえるくらい大きく、破裂しそうなほど早鐘を打つ。
チャイムに手を伸ばした姿勢のまま、顔だけがこちらを覗き込んでいる。
(ヤバい。)
思考が追いつかない。
(ヤバいヤバいヤバい。どうしよう…。付いてきたんだ…。)
慌ててドアを閉めて震える手でスマホを掴んだ瞬間。
ドンッ!
ドンドンッ!
ガチャガチャ!
玄関が激しく叩かれる。
驚いて後ずさった拍子に尻餅をついた、その時。
「何してるっ!急げっ!こっちだ!」
背後。
振り返ると彼が窓から入ってきていた。
急いで私の肩を掴む。
状況を飲み込む余裕はなく、一緒に窓から逃げる。
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