危険だからじゃない。
死ぬからでもない。
――俺は、ああなりたくなかった。
朝、目が覚めたとき、ポケットに何かが入っていた。
小さな銀色のメダルだった。
聖クリストファー。
触れた瞬間、
再び“守られる”感覚が、
身体の内側に広がった。
俺はそれを、川に投げ捨てた。
躊躇はなかった。
音もなく沈んでいった。
その瞬間、胸の奥で、
何かが外れる感覚があった。
それからだ。
車は、止まらなくなった。
雨の中でも、夜道でも、
誰も拾ってくれない。
腹は減る。
足は痛む。
不安にもなる。
それでも、
俺は、自分の足で歩いていると分かった。
後日、調べて分かったことがある。
失踪した若者たちは、全員、最後の目撃情報で「とても親切な人に助けられた」と話していた。
彼らの共通点は、
金がなく、
目的が曖昧で、
誰かに決めてほしい状態だったことだ。
その中の一人の荷物から、日記が見つかっている。
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