最近やっと長野に腰を据えて、人里離れた山の中に自分専用の小屋を建て、
世間から距離を置いて気ままに暮らしていたらしい。
・・・だから発見が少し遅れたのだ。
第一発見者は狩猟期間に山に入った猟師だった。
匂いが気になって開けた小屋の中で、弟は死んでいたのだ。
扉を開けた瞬間、何千、何万というハエが一斉に翔んだと言う。
遺体安置所で、変わり果てた姿の弟を目の前に、おかしな妄想が頭の中をめぐっていた。
「おまえ、ハエになってオレに会いになんぞ来てないだろうな。やめてくれよ、頼むから」
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