「……大変、申し訳ありません」
男の声でした。
くぐもってなくて、はっきりとした音質で。
まるでバッグのすぐそばで喋ったみたいな声。
私はすぐ怖くなって、動画を削除しました。
あの日のバッグも、なんか嫌になって捨てちゃいました。
……多分スマホの不調ですよ。録画と同時に何かの動画が再生されてて、音を拾ったとか。
でも、もしそうじゃないとしたら。
「……大変、申し訳ありません」
あの声の主は——
あの時、私のバッグの中にいたのかもしれません。
前のページ
2/2
この話は怖かったですか?
怖いに投票する 10票





















※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。