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心霊

ねこじろうさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

午後9時の配達員
長編 2025/11/01 05:21 8,124view
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そう言うと配達員はしばらくがっくり首を項垂れると、またすぐ明るい顔に戻り「ご協力ありがとうございます」と言って頭を下げると朱実に背を向け、渡り廊下を歩きだした。

朱実は遠ざかる配達員の背中に声をかける。

「すみません」

配達員が足を止め、肩越しに振り返った。

「あの、、、
これからあの配達員が来たら、どうしたらいいんですか?」

若い配達員はしばらく俯いていたが顔を上げ、ボソリと呟く。

「もし良かったら、これまで通り荷物受け取ってくださいませんか?
それがあの人への何よりの供養になると思うので、、、」

朱実が配達員の言葉にコクりと頷くと彼は「ご協力ありがとうございます」と言い、
また前を向いて歩きだした。

その後も朱実のアパートには『小嶋さん』が配達に来ることがあったのだが、
ある日彼女がドア越しに「いつもありがとうございます。本当に助かってます」と声掛けした後は、ピタリと来なくなったという。

【了】

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関連タグ: #声#大分
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