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妖怪・風習・伝奇

大鷹恵さんによる妖怪・風習・伝奇にまつわる怖い話の投稿です

山梨県八ヶ岳の別荘
短編 2025/10/07 21:42 1,041view

「ただいま~」
小学5年生の時、私は家に入ると、居間にランドセルを置いて、テレビを付けた。テレビはホラーアニメ「ハイスクールミステリー学園七不思議」の再放送をやっていた。私はソファーに腰を掛けて「ハイスクールミステリー学園七不思議」を見入る。キッチンから音が聞こえた。私はキッチンの方を振り返る。
「お父さんかな?」
私は父だと思って、ブラウスとスカート、下着を脱ぎ始める。キッチンから知らない男が出てくる。
「誰だ?お前、スカーレット(私の父)の家族かい?」
男は私の身体を見ないようにして言う。
「キミこそいったい誰なのよ?もしかしてキミ、空き巣?」
男は冷めた口調で
「この私が知人の家で空き巣なんてするわけないだろ。お嬢ちゃん、とりあえず、服を来てくれよ」
眼を瞑りながら言う。その時、父が居間に入ってきた。
「フラン帰っていたのか?ってあれ?、ファーレンハイトもう来てたか?スマンスマン、俺の経営するゲームショップが客が大勢来た所為でかなり混んでいてな・・・あれ?どうしたんだ?二人とも」
ファーレンハイトと呼ばれた男は父にこう言う。
「スカーレット。お前の家族が全裸でいてな。こいつ、お前の娘なんか?それ以前にスカーレットに娘がいたこと自体初耳なんだが・・・」

「ああ。俺の自慢の娘だよ。俺とのSEXで俺を快楽に連れってくれるんだ。娘は俺がやりたいプレイに従順なんだ。教育のしがいがあるってもんだよ、はははッ」
「おいおい、流石に冗談は顔だけにしてくれよ・・・まぁいい、スカーレット、お前が私の別荘の事で気にしていた事なんだけどな」
そこに私が割り込む。
「ねぇねぇお父さん。SEXって何?」
「フラン。俺はファーレンハイトとお話をするから「ハイスクールミステリー学園七不思議」を見た後、学校の宿題をしなさい」

私が服を着ず裸の状態でソファーで宿題をしている時に父とウッドロウ・ファーレンハイトは自身の所有する山梨県八ヶ岳の別荘の話をしていた。ファーレンハイトは
「私が所有している八ヶ岳の別荘がやっと取り壊された。その時に私が業者と立ち会ったんだが」
という。なお、ファーレンハイトの別荘は建設する時に限られた予算と立地の都合上、スイスにあるル・コルビュジエ設計による「レマン湖畔の小さな家」にそっくり感じである(勿論、屋上庭園付きのテラスだ)。
「本来ならあるはずの無い地下室が見つかったんだな?」
「その通りだ。そこの地下室に炊き立てのご飯が置かれてあったんだ。まるでさっきまで人がいるような状態だったんだよ。それとエアコンと電気がそんまんまつけっぱなしの状態だった」
「まさか地下室に住んでいた人がテレポーテーションの使い手かもしれないな」
「そのおかげで別荘の電気代がバカにならないが・・・」
「電気代ごときで独身貧乏貴族がカリカリするのもやむ無しだな。それとその近辺に何か埋められていなかったかい?」

「電気代で思い出したんだが、それでも電気代のメーターが上がりっぱなしだったのだよ(とどのつまり、漏電している可能性もあるワケだ)。別荘の取り壊し中に業者に頼んで調べてみたら、風呂場から電気ケーブルがひかれてあったんだ。そこで私と業者はケーブルをたどって探してみると冷蔵庫がポツンとあった」
「そして、冷蔵庫の中には・・・」
「おいおい、スカーレット。流石に阿刀田高のホラー短編で有名な「干魚と漏電」みたいなことはなかったよ。冷蔵庫の中には何も入っていなかったんだ。もっとも、私は阿刀田高の短編で好きなのは「凶事」と「西瓜流し」「来訪者」なんだがな、はははッ」
「俺としては、できれば冷蔵庫の中に人間の死体が一つでも入っていればよかったんだがな、はははッ」
父は笑いながら
「なぁ独身貧乏貴族。別荘の辺りで幽霊などの目撃情報なんてなかったかい?」
「独身貧乏貴族ゆーな。そういえば、一つだけ気になることがある。地元の猟友会の奴らの話によるとあの地域には冬になると「雪男(イエティやビックフットともいう)」が現れるんだ」
「ファーレンハイト。まさかと思うんだが、あの冷蔵庫は雪男の夏眠用の寝床かもしれない」
「その仮説なら少しつじつまが合うな。それだと寝床を失った雪男は・・・」
「寝床を探して集落の方に出てくる可能性があるわけよ。さて、フラン、学校の宿題が終わったようだね。今からフランが知りたがっているSEXを教えてやろう」
その時、ファーレンハイトのスマホが鳴る。
「もしもし、先日はどうも・・・え!雪男が集落に来たんですか!?それで被害状況は・・・安心した、建物や作物が荒らされただけで、死傷者は出ていないんですね。そうですか、今から猟友会の人々が山狩りですか・・・スカーレットすまないが、私は今電話中だから、SEXするのは後にしてくれ」
父はファーレンハイトの注意を無視して、いつも私とやっている事をやり始める。

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