お揃いのキーケース、
お互い好きだったアーティストのCD、
指輪、
2人の写真でいっぱいのアルバム、
一つ一つが大切なモノだった。
なんでこんな大事なのに置いて行っちまったんだ。気付けば涙が流れ、彼女への思いで胸が締め付けられるようだった。
ん?
中身も全て確認したと思ったが、底がやけに高く二重底になっている。
なんでこんな手の込んだことを、と思いつつ隠されていた最後の箱に手を掛ける。
包装を解くと、割と大きめの縦長の木箱だった。
これは見覚えが無い。多分、俺が残したモノではない。今までのとは何か違う、彼女が1番渡したかったモノはコレだと理解できた。
冷や汗が額を伝う。
心臓がバクバクと鼓動し、震えながら木箱の蓋を慎重にあける。中身は、
胎児だった。
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