奇々怪々 お知らせ

妖怪・風習・伝奇

kkさんによる妖怪・風習・伝奇にまつわる怖い話の投稿です

山の中で出会った兄弟の話
長編 2025/09/23 19:53 35,267view
5

布団に横になったものの、慣れない環境のせいか、まったく眠れなかった。

仕方なく、気晴らしに外の空気でも吸おうと布団から抜け出す。

そのとき

「あああああああ!!」

山鳴りのように低く、しかし鋭く、異様に長い叫び声が、家の奥から聞こえてきた。

耳を押さえながら、声のする方へ向かうと、そこには四つの小さな部屋が並んでいた。

扉にはそれぞれ、「イチダ」「ニヤマ」「ミヨシ」「シバ」と書かれており、どうやら兄弟たちの個人の部屋らしい。

恐る恐る、俺はこっそり扉を開け、一人一人覗き込んだ。

まず、天狗面のイチダ。

何もない空間に手を伸ばし、顔を左右に傾けながら、まるで何かを崇めるかのように動いている。

よく耳を澄ますと、かすかに小声が聞こえる。

……だが、それが何を言っているのかは理解できなかった。

次に、鬼面のニヤマ。

手に何かを握り、力任せに振り回している。

振り回すたびに壁にぶつかり、木の柱や板に大きな傷やヒビを刻む。

その巨体が暴れるたび、床や天井も微かに揺れる。

小柄な翁面のミヨシは、部屋の隅で頭を抱え、声を上げて「あああああ!!」と叫びながら震えている。

尋常ではない震え方で、まるで何か目に見えない存在に怯えているようだった。

そして、ひょっとこの面のシバの部屋には、人の気配がなかった。

俺の体は硬直し、息も止まりそうになる。

突然、後ろから肩を掴まれ、思わず声を上げそうになる。

振り返ると、そこにはひょっとこの面をつけたシバが立っていた。

「おじさん、何してるの?」

その無邪気な声に、恐怖で硬直していた体が少し緩む。

6/10
コメント(5)
  • 読みやすくてめっちゃ好き 話の内容が入ってきやすい

    2025/09/25/09:24
  • すっごく怖くて久しぶりにゾクゾクしました。

    2025/10/01/19:08
  • 久しぶりにゾクゾクしました。

    2025/10/01/19:08
  • ↑マジそれな、今まで読んだ中で1番最高だわ

    2025/10/05/17:45
  • ハゲ碓井みたいだな

    2025/12/20/09:22

※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。

怖い話の人気キーワード

奇々怪々に投稿された怖い話の中から、特定のキーワードにまつわる怖い話をご覧いただけます。

気になるキーワードを探してお気に入りの怖い話を見つけてみてください。