私が住んでいる一軒家は築50年は経っているそうなのですが、庭には建築当時に植えられた松や梅といった木々が生えています。
そんな木の中に一本だけユニークな木があって、幹にまるでこっちをじっと見てくる梟の顔が浮き出たような木があるのです。傍から見れば不気味なようですが、幼いころ私はこの木がやけに気に入っておりました。
小学4年生辺りに異変に気付きました。梟の顔の向きがある日急に右向きに変わったんです。家族にそのことを言っても真剣に受け入れられず、私も大したことじゃないのかもと気にしなくなっていきました。
高校を卒業した辺りです。祖父が亡くなりました。祖父の葬式は家で行われました。
葬式当日のことです。初めて会う親戚の方と話をするのに疲れて、外で休んでいた時ふとあの木を見たのですが、昨日まで確実に右向きだったはずの梟の顔が左向きになっていたんです。
偶然にしては出木過ぎでしょうか。後々知ったのですが先述した小学4年生の頃というのは、祖父の兄弟がちょうど亡くなった時期だったのです。
流石に気味が悪くなった私はネットでもいろいろ調べたのですがそんな木の症例は見当たらず、なんなんだこれはと困惑しました。
祖父が亡くなり庭の木の手入れをする人がいないということもあり木を切る話がありましたが、結局木は残ったままです。
梟の顔は今、正面を向いています。
前のページ
1/1
この話は怖かったですか?
怖いに投票する 10票
























※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。