そんな音がしばらくつづいて、ベッドもギシギシ揺れてて
どのくらいたったのか、急に静かになって、お母さんが立ち上がって
今度はボクのいる上の段に顔をのぞかせているようだった。
ボクはなんとなく遠くに意識を感じながら、まだ目を開けられないでいた。
お母さんが、ボクの毛布をヒラッと少しめくった。
そしてなぜかボクに顔を近づけて来た。
ふん~っ
ふん~っ
お母さんの鼻息が頬に当たる。
はぁはぁ
お母さんの息がする。・・・なんだか臭い。生臭い。
ボクは寝ながらも、たぶん眉を曇らせていたと思う。臭くて目が覚めそうだ。
そう思った次の瞬間、お母さんが・・・・
じゅるっ
ベロリ
ボクの頬をまるで犬がそうするようにベロリと舐めて来た。
ふふっ・・・ふふっ・・・
お母さんは笑っているようだった。
さすがにボクも気持ち悪くて「うぅぅぅ~~ん」とうなって、
寝返りを打ちながら、毛布を引き寄せた。
ぎっ
ベッドから重さが解放された。
お母さんがベッドから離れたようだ。
変なの・・・お母さん、ボクらを起こしに来たんじゃないのかな・・・
さっきの変な匂いと、舐められた気持ち悪さと、なにも声をかけて行かなかったお母さんの行動を不審に思い、やっとの思いで重たいまぶたを薄目で開けてみた。
ガチャ・・・バタン
ちょうど今、お母さんが部屋から出て行ったところだった。
部屋は薄明りの日差しがようやく入ってくる時間で、時計を見るとまだ朝の5時前だった。
「お兄ちゃん・・・お母さんとなにしてたの?」
そう問いながら、上の段から頭だけ出して、下にいるお兄ちゃんをのぞいてみた。





















kanaです。
・・・・・・・消えたのは、弟の方だったりしてね。・・・・・・・
こわい