放課後になると深雪は部活に向かった。
誰もいなくなった教室に夕日が差し込む。
机の影が木製の床に長く伸びていた。
携帯を開く音が空虚に響いた。
放課後までに書き込まれた反応をスクロールしていく。
何件か書き込まれていた中で一際目を引く書き込みがあった。
「住所と…時間…?」
住所の下に「20時」と書かれていた。
月の傾き具合から時間まで割り出されていた。
足元の影から誰かがこちらの様子を伺っているような気がした。
行ったらどうなるだろう。
もしかしたら私を刺す人が現れるのでは?
胸にナイフが刺さる光景を思い出す。
それを知っている私ならば止めることができる。
フフ…馬鹿馬鹿しい。
でも、この夢の先に私の未来があると思った。
書き込まれた住所は少し遠いところだったが、私のお小遣いでも行ける場所だった。
私は学生カバンに教科書を何冊か入れて足早に教室を出た。
電車に乗っていると車窓の向こうにあの川が見えてきた。
学生カバンを握る手に力が篭る。
駅に着き電車を降りた。
ぽつぽつと人々が車両から出てくる。
この中のどのカバンにナイフを仕舞い込んでいるのだろうか。
構内放送と共に音楽が流れ、車輪が線路を滑り始めた。
駅を出ると街並みは星の影の中に沈んでいた。
街灯はまばらに足元を照らしていた。
足先を川のあった方向に向けて歩き始めた。
黒く染まった街路樹は風でざわめき、私を手招きしていた。
しばらく歩くと視界が開けた。
そこは川の土手だった。
川を跨ぐ鉄道が立ち塞がり景色を切り取っている。
対岸には星が一つ、異様に輝いている。
水面に映る月が風で揺らめく。
ススキの葉の擦れ合う音が囁くように響いている。
両岸の家々から漏れる暖かい光がアスファルトに影を伸ばす。
遠くのビル群は目を光らせてこちらを見つめている。
「たしか、あの辺りに立って、鉄道の方を見ていた。」
その場所に向かって歩き始めた。
アスファルトがローファーを削る音がやけに大きく聞こえた。
夢の景色が、深雪の絵が現実に写し出されていた。
「あの書き込みは本当だったのね。」
電車の音が遠くから近づいて来る。
携帯を開き時間を確認するともうすぐ20時だった。
コツコツとヒールが地面を叩く音が冷たく私の背中に染み込んだ。
学生カバンを胸の前で持つ。
その音が私の背後で止む。
カバンを持つ手に汗が滲む。
意を決して振り向く。
ナイフが私の学生カバンに突き刺さった。
その銀の刃に冷たい月明かりが反射していた。
背後を電車が走り抜ける。
車窓の光が私を刺した人物を照らした。
まるでフィルムに切り取られたように、その一瞬を私の目に焼き付けた。
年上の綺麗な女性だった。
肩ほどの長さの黒髪は艶やかに揺れていた。
黒いスーツがしなやかな脚の長さを強調していた。
そして、その切れ長な目には鋭利な光を宿していた。























私の頭じゃ内容を把握しきれないので、詳しく教えてくれませんか。