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不思議体験

nickningenさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

悪霊の神社
長編 2025/09/05 00:16 28,886view
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神社の前に着く。
恐る恐る鳥居の中を覗く。
無数の手が出てこなかったどころか、参道の石畳から拝殿まで全て真新しかった。
ここが「悪霊の神社」だとすると、異質なほど綺麗に整っている。
「神主の神社」だとするなら、集落に全く馴染んでいないという違和感がある。
木々の真っ黒な影は巨人が静かに跪いているようだった。
整然とした参道を通る人を待ち構えているように思えた。
「よーし、暗くなる前にちゃっちゃと参拝しよう!」
と田中先輩は先立って拝殿に向かって行った。
みんなもそれに続いてぞろぞろと拝殿に向かう。
他の人は異質な神社を前にして普通に参拝しようとしている。
変だと思っているのは僕だけなのだろうかと思い、岬に話しかけた。
「なんか変じゃない・・・?
本当にこんなところにお参りするの?」
岬は笑顔で答えた。
「”こんなところ”なんて言ったら、それこそ罰が当たっちゃうよ!」

それは元気というよりも僕を気遣っているように感じた。
僕が怖がっていることで、岬まで不安にさせてしまうことがもどかしかった。
「先輩の言うとおり、ちゃちゃっと、失礼のないように参拝して帰ろ!」
そう言って僕の手を引いて拝殿まで歩いた。
悪霊だとしても神として祀られたら神になるのだろうか?
拝殿に着くとあたりは不気味なほど静まり返っていた。
お賽銭を投げて手を合わせた。
「ここが悪霊の神社でありませんように。」
岬も隣で手を合わせていた。
岬は何を願ったのだろう。
多分、「合唱祭が無事成功すること」か「岬のお母さんが無事聴きに来てくれること」のどっちかだろう。
ここの神様はそれを叶えてくれる存在であることを願った。
そんなことを考えながら、真っ暗な拝殿の奥をぼんやり見ていると、
もぞりと何かが蠢いた。
「うわっ!」
僕は驚いて尻餅を着いてしまった。

もう一度、恐る恐る拝殿の奥に視線を移す。
そこには何事もなかったかのように闇が横たわっていた。
「どうしたの?大丈夫?」
と岬が手を差し出す。
「なんでもない。つまづいちゃって。」
咄嗟に誤魔化して、岬の手をとる。
悪霊を怖がる僕の心が作り出した幻だったのだろうか。
「さっさと家に帰ろ!」
岬に手を引かれながら振り向くと、無言の拝殿が僕達を見つめていた。
あれはなんだったのだろう。
「悪霊」という言葉が蛇のように僕に絡みついていた。
帰ったら父にあの話についてもっと詳しく聞いてみようと思った。
岬は帰り道ではあえて神社のことには触れず、明るい話をしてくれていた。
岬を何とか安心させたいと思い、一旦今日あったことは忘れて、いつも通り別れの挨拶をした。
岬と別れた後、今日の助けられてばかりだった自分を思い返す。
僕と岬では出来ることが違うとは言え、あまりの不甲斐なさに奥歯を噛み締めた。

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コメント(2)
  • 随所に差し挟まれる小賢しいレトリックがいちいち鼻につく。
    このサイトの読者層には刺さるのかもしれないけど。

    2025/09/09/05:48
  • ちょっと意味がわからない

    2025/09/11/20:22

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