突然、奴の気配が無くなった。僕は奴のいた方向を見るが、あるのは僕の靴と靴下だけ。あいつはどこに、、、
「あ……え…だね」
左耳に冷たい空気が入り込んだ。そしてしゃがれた声で囁かれた。顔は向けず、目だけでその姿を確認した。奴だった。
その後のことは覚えていない。母親が言うには、田んぼの隅の方で地面に腰掛けて座っていたそうだ。
その時の僕は、声をかけてもずっと田んぼの方を向き、突然、涙を流し、笑い出し、正気ではない様子でいたらしい。
僕はあの灰色の何かに誘われて田んぼに行ってしまったのか。
それとも、僕自身が灰色の何かを招いてしまったのか今でもよくわかっていません。
何より『縁起の悪いことは口にしない』方がいいですね。
また、僕が経験した言霊に関する出来事はこれだけではありません。今後もその体験、または他の体験について話させてもらおうと思います。同じような体験をした人もいらっしゃったら教えて欲しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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