「う、うるせー!」
「俺らだって、優等生だよな?」
和田さんは少し笑って、話を続けた。
「その子のお葬式とかも終わってからしばらく経っても両親、特にお母さんがとても悲しんで段々とおかしくなっていったんだって。
そんなある日の夜、その子のお父さんが夜中に寝てるはずのお母さんがいないことに気づいて探したんだけど、家の中にはいなくて、家の外に出て探していたら学校に向かう通学路で見つけたんだって。今にも倒れそうに一歩、一歩、ゆっくり学校へ向かって歩いてた。
声をかけて、近寄ると、
「あなた…あの子、今日も真面目に学校に行ったわよ。えらいわね。学校好きだから。」
「おい!しっかりしろ!」
強く言っても聞こえてないみたいで。
「今も、この坂を登って行ったわ。ランドセル背負って。」
その後、学校へ向かう坂道で夜中に女の子を見たって人が多くいて。
って話。」
和田さんは話を終えると立ち上がり、
「ここの学校も坂あるよね?夜中、気をつけた方がいいんじゃない?」
ニヤリとこちらを見ながら一言だけ言って立ち去った。
「怖い話というか、ちょっとかわいそうだったな。」
「あー、確かに。悲しい話だった。」
4人共、怖いという感情より、両親の気持ちを考えると悲しい気持ちになっていた。
1週間後、学童で再会した私達はお盆中の出来事を話して盛り上がっていた。
そして、帰宅する時間が近づいてきた頃に、
「なぁ、今日の夜中、俺の家に集まれよ。」
「なんで?」
「前に和田が言ってた。夜の通学路。今日の夜、俺らでここまで来てみようぜ。」
「夜の学校って怖いよなー」
「でも、通学路通って学校の前まで来るだけなら余裕じゃない?」
話し合いの結果、夜中に1人の友人の家に集まり、4人で通学路を歩くことにした。
それぞれ、親には内緒で…
そして、決めていた時刻になり、それぞれが家から抜け出し、友人の家の前に集まった。
「よし、みんな来たな。じゃあ、行こうぜ。」
友人の家から学校までは徒歩で約10分ほど。
それほど遠くないので、話をしながら歩けばあっという間に着く距離だ。























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