俺「あ、これ聞こえてないっぽいな。やっぱ間違いみたいだから切るぞー」
A「ザー…(ノイズ音)…んですかー?」
俺「え、聞こえてる?」
A「そうなんですかー?」
俺「なにいってんの(笑)間違ってかけたなら切るよ?(笑)」
A「えー?そうなんですかー?」
俺「いやマジでどうしたの?」
A「フフフ、そうなんですかー?」
俺「ダメだ訳わからん(笑)んじゃ切るなー」
ざっくりこんな感じの会話?をして、俺は通話を切ったわけだけど…不思議なのはここからだった。
通話終了した直後に、Aから
「間違ってかけたから通話切ってください!ってずっと言ってたのになんで切ってくれないんですか!」
って怒りのチャットが届いたからだ。
俺も横で通話を聞いてた嫁も意味が分からなかった。
さっきまでの通話を思い返してみても、Aは一度もそんなことは言ってなかった。
だから俺はそのまま「Aはずっと『そうなんですかー?』しか言ってなかったぞ」と返信した。
そこから数度やり取りをした結果、どうやらAは入浴中に音楽を聴いていたら棚からスマホを落としてしまい、それで誤作動を起こしビデオ通話をかけてしまった。ということが分かった。
顔を洗ってたら急に男の声が聞こえた。相手は風呂に入る直前までチャットしてた俺だろうとあたりを付けて通話を切ってほしいとお願いしたが、切れる気配がないので焦ったそうだ。
けど、俺も嫁もそんな言葉は本当に聞いてなくて、さらに話を聞いてみても、自分は風呂に入ってたから当然一人で、職場が近いってことで祖父母の家に住んでいて、その祖父母もとっくに寝ているためその場に「そうなんですかー?」なんてセリフを言うやつはいなかったらしい。
「じゃああの声誰」という嫁のセリフにやっぱり聞き間違いじゃないよな、と背筋が寒くなったけど、「とりあえずAの裸は見えてないし、すぐに切らなかったのはごめん。」と謝罪だけしてその日は終わった。
ここからは嘘くさくなるかなと書くか迷ったんだけど、一応続きでもあるので書いておく。
後日、その出来事をAが「先日起こった変な話」としてギルドで話してたんだけど、それを聞いてたBから「話がある」と言われて知った話。
Bはいわゆる見える人らしく、そんなB曰くAには結構ヤバめの守護霊?のようなものがついてるらしい。
見た目は全身包帯を巻いた血まみれの女の人という恐ろしいものだが、Aにとっては害はなくむしろ益のある存在。
失せ物を見つけてくれたり、怪我しそうなのを回避できたりするそうだ。
で、その守護霊の一番怖いところは見た目ではなく、「Aに不利益をもたらす相手に報復措置を取る事」らしく、今回の件をAの守護霊が「Aが辱めを受けた」と捉える可能性がありものすごく危険だから気を付けるように、と注意を受けた。
「私らの地元と俺さんの住んでるところは距離があるのですぐに、というわけではないでしょうけど…何かあるとしたら一週間以内でしょうね。警告だけで済めばいいですけど、報復だった場合は怪我するかもしれません」
























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