SNS依存症な人って私の周りにも何人かいたけど、なんかバッカみたいって思ってる。
一日三時間とか五時間とか当たり前らしくて、酷いと休日は朝から晩までSNSをハシゴしてるんだとか。
何がそんなに楽しいの? って訊いても「色んな人と繋がれてる感じがするから」みたいな抽象的っていうか、曖昧な返答ばかりで、要するに承認欲求ってやつが満たされるからってことなんだろうな。
でもさー、そんなのに時間を費やしてて良いのかい? って年寄りみたいなことを思ってしまう私は大学生らしくないのかもしれない。
私だってSNSを一切見ないわけじゃないよ?
Xだってやるし、インスタもしょっちゅう見てる。でも、依存はしてないんだよなー。
写真とかアップすることもあるんだけど、でも当たり障りのないやつばっかだし、いいねとかもあんまり気にしてない。
だって、どこの誰だか分からない人に評価されるのって、あんまり嬉しくなくない? 悪い評価だってあんまり気にならないし。
そんな風に考える私は、やっぱりSNSに向いてないんだと思われる。ハマらないんだよなーなんか。
でも、ある日を境に、私は毎日Xやインスタをチェックするようになる。
それは、私のアカウントが、心当たりのない投稿をしていたのがきっかけだった。
当然私以外がログインできるわけもないし、最初は不正アクセスを疑ったけど、アップされてる写真は、私のスマホの中の写真ばかりだった。
あれれ〜? これは誤作動というか、バッグの中に入れててなんか色々当たってしまったのかな? それとも寝ぼけながら操作しちゃってたのかな。
自分のミスかもしれないしってことで、とりあえずは様子見。
でも、投稿は続く。
もちろん私はしてないし、別の誰かがスマホを勝手に触ったなんてこともあり得ない。
というか、投稿された時間が講義中だったり、私がネット検索してた時間だったりで、どう考えても誤タップでもなければ意図せぬ操作でもない。
じゃあ一体全体これはどういうことなんだろうと友達に相談したら、「無意識にやってるんじゃん?」とか、「お母さんじゃない?」とか、みんな適当にしか答えてくれない。
でもまあ実害はないからいいか。
……いいのかな?
なんか道端の花とか入道雲みたいなのとか自然ばかりがアップされてて、場所の特定もできないし、これくらいなら構わないわーとか思ってたら、思いっきり大学の敷地内の写真がアップされる。
えー! こんなの撮った記憶ないけど! っていうのは今更で、そもそも花も雲も撮ったことなんて一度もない。私の知らぬ間に誰かがカメラを起動してパシャっと撮影し、それを投稿するっていう一連の流れをこなしていると思われる。
で、今更というなら、本当に今更だけど、ここで私はちょっと怖くなる。
心当たりがないのは単純に怖いよ、やっぱ。
でも、なんかアカウントを消すのもなーって未練がましい私はなかなか対応策を決めきれないでいる。
でも優柔不断な私を、名前も知らぬ誰かは待っていてはくれなくて、私の個人情報がバンバンアップされていく。
大学はもちろん、バイト先、友達、家族、そして一人暮らしのアパートまで投稿されてしまう。
友達も流石にヤバくない?って心配してくれて、ていうかあたしらの写真勝手にアップすんなよーみたいな文句もあって、確かに周りを巻き込みだした時点で、もう悠長なことは言ってられないぞって話で、ことここに至ってようやく全てのアカウントを消す。
あー、せいせいした。
正直残念な気持ちは多分にあるけど、でも何か起こってからじゃまずいもんね。






















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