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不思議体験

たちさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

同僚からのプレゼント
長編 2025/08/01 10:12 2,490view
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いっしょにしぬ いっしょにしぬ

爪の音とは別に呟いている声が聞こえた。
その後、バタンと車のドアを閉める音がして、音の方向を見ると私の姿が映し出された。
思わず、
「うわっ」と叫び、瞼を開けた。
「なんだよ。今の。気持ち悪いな…」
息を切らしていると、隣に一台の車が停まった。霊感のある会社の人だった。
「どうしたの?大丈夫?すごい汗だよ。」
「今は大丈夫です…さっき訳のわからないこと起きて。」
私は先程の出来事を断片的にではあるがその人に伝えた。
「で、その人がいたのがあの辺です。」指を指すと、「あそこの人、視えたの?」

「はい。しばらく前からたまーに見かけていました。その人の視界ですかね…」
「あの女性、人間ではないよ。」
「えっ?」
「あの女性、人間じゃない。もう死んでるよ。」
すぐには理解できなかった。
「えっ?ってことは霊ですか?」
私の問いに無言で首を縦に振った。
「早めにお祓いとか行った方がいいよ。あと、ここにはしばらく来ない方がいいかもね。」
そう言い残し、車で走り去っていった。
私は恐怖と興奮、入り混じった感情で冷静にはなれなかった。

数日後、言われた通りお祓いをしてもらい、その後は普通の生活を送っていた。

数週間後、近いうちに霊感のある同僚が退社するということを聞かされた。
その日からまた奇妙なことが起き始めた。

ふと、気がつくとあの女性の姿が視界に入るようになった。しかし、瞬き一つする間に姿を消しているのだった。
徐々に女性の姿が視える頻度が多くなってきて恐怖心が強くなってきた。
「なんなんだよ!どうなってるんだ…」
初めて霊が視えた時とは違い今はただ混乱と不安、恐怖心に怯える日々が続いた。

後日、違う神社を調べて、お祓いをしてもらった。
「終わりました。」
「ありがとうございます。」
「身近な方で、注意をしたほうがいい方がいます。お気をつけて。」と助言を受けました。
帰宅中に、身近で注意した方がいい人は誰か色々考えましたが答えは出ず、モヤモヤした気持ちになりながら自宅に到着しました。
その後は、女性の霊を視ることはなくなり、とても安心して生活を送っていました。

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