古い商店の話

ずっと山道が続いていたが
脇道に逸れる道の奥に広場？のような物が見えた為曲がることにした。

今思えば 辺りは真っ暗だったはずなのに
なぜその広場が見えたのかと言う話なのだが…

そこで一旦止まり
エンジンをかけ直そうとしたが
なぜかセルは回るがエンジンが掛からない

Aは「あれ…おかしいな…」

Bが「もう…ちゃんと整備しておけよな笑」

この親のお下がりのミニバンは既に15万キロ程走っている、オンボロのミニバンなので

定期的にこれで出かけた時に不具合が起きたことが何度かある為に
俺たちの中ではあるあるなトラブルの1つであった

実は俺たち工学科ということもあり
機械いじりは割と得意な方だったので機械トラブルはそこまで深刻な話では無かった。

が、しかし
今みたいにスマホでライトを付けられるような時代ではなく
誰1人としてライトを持ってなく
暗闇の中では修理が出来なかった

広場の奥は更に道が続いてる様だったので
車を端に4人で押した後に

どこかの家でライトを借りられないか聞いてみようとド深夜に大ご迷惑な話ではあるが
そこは大学生と言うところの世間知らずな図々しい発想があった

道を歩いて10分くらい
家のような物が1軒も見当たらず
Cが「やっぱこんな山奥に家なんか無くね？不便すぎるっしょこんなとこ」

と不機嫌そうに言葉を吐き出した

Aは車の故障を少し申し訳なさそうにし、黙っていた

俺が「ま、もう少し歩いてみて何も無かったら一旦戻ろう」

と言って無言のまま歩いてると1軒の
古い昔ながらの商店？のような小さいお店兼住宅のような建物が見えてきた