Mさんと言う会社員が、奥さんと5歳になる娘を連れて旅行に行った
部屋を案内され
障子を、すぅーっと開けた瞬間
重い空気が流れてきて
何となく「嫌だなぁ」と思ったという
それでも立派な古い旅館なので
家族の前ではニコリと笑って
「いい部屋じゃないか」っと辺りを見回した
っと、窓の側に古い鏡台がある
(これは?)・・・何だか気になった
普通、こう言う鏡台は壁にぴったりとくっついているものだが
この部屋の物は壁から離れている上に斜めを向いている
Mさんはこの鏡台を壁にくっつけようとして
つかつかとその前まで歩いて行った
手を触れようとしたその瞬間
後ろに付いてきた娘が
「動かすな!」・・・男の声を発した
「えっ?」っと、それっきり鏡が動かせなくなった
「お前、何言ったんだ?」っと言うと
「なぁに?」っと娘にはもう、そんな気配は無い
その夜、娘が寝付けないでいる
慣れない旅行で疲れているはずなのに
仰向けになったまま、部屋の天井と壁の境目辺りを見て
こくっこくっと首を振っている
「いち にぃ さん しぃ ご」
「何をしているの?」
っと奥さんが聞くと
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