その夜、A子さんは深夜タクシーで家時を急いだ
タクシーでお気に入りの深夜番組を聴いていたから
マンションに着いたのは午前二時ごろだとはっきり覚えているという
マンションの正面玄関を入って、エレベーターの昇りのボタンを押す
A子さんの部屋は八階・・・
この時、マンションの一基しかないエレベーターのランプが
最上階の十階にあることを示していた
そのランプが九階、八階・・・・・・・・
と下がってくるのを
「ちょっと、遅いわねぇ」
などと独り言を言いながら見ていた
七階、六階・・・・・・
っと、その時「グィーン、ガタン」エレベーターが到着した
えっ?
っと思って、エレベーターのランプを見直すと
まだ、五階、四階あたりを降りてくる途中である・・・・・
目の前のドアが開く
エレベーターの中には鈴なりの
人、人、人・・・・・・
しかも一様に見覚えのない顔ばかり
(今は確か夜中の二時、これはいったい?・・・・)
A子さんはその異様さに驚いていると、いきなり
「下に行きます。乗りますか?乗らないんですか?」
中のひとりに尋ねられた
「いえ・・・・・・満員みたいですから、いいです・・・・・・」
断ると、すぐドアが閉まりエレベーターが下降して行く・・・
しばらくして、またエレベーターが到着した音がして、ドアが開いた・・・
目の前にあるのは無人のエレベーター
ランプは一階に到着したことを示していた
このマンションに地下はない・・・・・
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