その瞬間、
「ンチッ」
とあの舌打ちが聞こえてきました。
全身が凍りついた私はその音の方に目をやりました。
暗がりの倉庫の中、私から見て左手前にそのおばさんは座り込んでいました。
「ンチッ ヌチッ」
静かなゴミステーションの中に舌打ちの音が響きます。
私は完全パニックになり、大声で謝り
猛ダッシュで部屋へと向かいました。
急いで鍵をかけ、ベッドに駆け込み布団の中に潜り込み、ひたすら怯えていました。
翌朝、私はゴミステーションの方を一切見ようとせず、足早に出張へと向かいました。
出張中もあの夜中の風景が忘れられず、夜は早々に部屋に戻りじっと過ごしておりました。
帰省から戻る途中の新幹線でも、またあの人に出会したらどうしよう、次はいよいよ何か危害を加えられるんじゃないかと不安は憂鬱へと変わっていきました。
日曜の夕方にマンションに着くと、何やらエントランス付近で何人か立っているのが分かりました。
中にはパトカーも止まっており、警察の方が事情聴取をしているようでした。
その人らと話している人の中に、この間のOLさんもいて、私と目が合うなり、警察の方にに何やらわたしを指しながら何かを話しておりました。
私もそのまま話の中に入る形になり、その警察の方から話を聞きました。
最近ゴミステーション前に朝方、張り付いている女がいる。
女は無言でそこに捨てに来る人たちを睨みながら、ゴミ捨て場の関係者を装っていた。
実際は、身元不詳のホームレスだったとのこと。
ゴミの中から再利用品や、資源ごみなどを自分のものにしてもっていく等の行為をくり返していたという。
他人の物を盗難したわけではなく、あくまで捨ててある物なので警察もなかなか動きにくかったとのことでした。
結局その女は2.3駅離れた他の団地で捕まったとの話を聞きました。
OLさんといた時以外に、何か接触はあったかと確認があった際、夜中ゴミステーションで出会したことを話しました。
警察の方は、下を向き少し悩んだような顔で、
「その時間は、袋を開けてひたすらカスや残り物を口に詰め込んでたんですよ、クチャクチャ聞こえたりはしませんでしたか?」
怖さと気持ち悪さでその場で鳥肌が一気に立ったことを覚えております。
























変態頭オブザcrazy