山道を走ると車の後部座席から人の気配がして黒いモヤが現れる
投稿者:ぷーさん (30)
車によく乗っていた頃の話です。
山道を運転していると、どうも後部座席に人の気配がしてきます。
でも、バックミラーを見ると誰もいない。
で、「気のせいか」と運転していると、また、後部座席から人の気配がしてくるのです。
その繰り返しをしていた私は、どうも気分が悪くなってしまいました。
「車酔いなんてしたことないのに。なんだか吐きそう」
車を路肩にとめて、私は窓を開けてから車のシートを倒しました。
少し経つと気持ち悪いのも改善し、運転できるなと感じます。
「じゃ、ドライブを再開しますか」と、私はエンジンをかけて、また車を走らせました。
山の空気はすがすがしく、天気もいいので、山の景色もはっきりと、きれいに見えます。「ああ、今日は本当にドライブ日和だな」と、私は気分よく運転していたのです。
なのに、後部座席から人の気配がしてくるのですからがっかり。そのうち、ガタガタガタとシートから異音がしてきます。その音は、車の振動ではなく、なにかが揺らしているという感じ。
ふと、バックミラーを見ると、黒いモヤのようなものがいるのに気づきました。「さっきまではなかったのに、急に出てきたな」その黒いモヤはしだいに人の形になっていきました。男性、しかも、若い男のようです。
「まずいな」今までも黒いモヤが出てきて、いいことがあったためしがありません。たいていは苦しくなるか、恐怖に包まれてしまうのです。
「ああ、困ったな。このままだと事故を起こしてしまうかもしれない」と感じて、私はすぐに車を路肩にとめて、エンジンを切りました。
ふと、後部座席から人の気配が消えて、私は安堵感に包まれます。「黒いモヤも消えたな。よかった」そう思った瞬間です。
運転席の窓の外を見てみると、そこに黒いモヤが立っていたのです。人の形、大柄な男性の形をしたものが。そして、覗くようにして、私の方を見てきます。「ううわ、うっわ」私はエンジンをかけて、その場所から逃げました。
無我夢中で車を走らせて、やっと人が多いばしょに来たとき、「とうぶんは山道を走らないほうがいいな」と感じました。
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