奇々怪々 お知らせ

呪い・祟り

真代さんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

だるまさんがころんだ
短編 2025/06/03 20:33 7,219view
4

その時だった。

何もないところでつまずき、転んでしまった
そのまま、ダルマに思いっきり手をついてしまった。

慌てて立ち上がる私。
ダルマは激しくユラユラと揺れていた。

背筋は凍りついていた。

ダルマの表情はいつもの不気味な笑みでは無く、

般若像のように、目を釣りあげ、鋭い怒りの両目をギョロっと動かして私に向けたからだ。

ダルマの剥き出しになった牙のような歯を見て、
シャーペンなどどうでもいいと、駆け足で逃げるように帰宅した。

*

*

次の日、学校に行くと、あのダルマが消えていた。

違和感の無くなった教室。いつもの日常。

これで一安心……のはずなのに、昨日のことが頭をよぎってしまい、むしろ落ち着けなかった。

取り返しのつかないことをしてしまった気がしてならなかった。

*

*

心にモヤモヤが残ったまま授業を全て終えて、
家への帰り道。1人で歩いている時、新たな違和感に気がつく。

…………後ろの方から聞こえる。誰かの足音。

トットットットッ……って。

初めは友達かと思った。でも、後ろを振り向いても、誰も居ない。
後ろを向いている間だけは音も聞こえなかった。

何故かあの日のダルマを思い出して、怖かった。

その日は後ろを何度も確認しながら走って家に帰った。

*

*

それから一人でいると、必ず聞こえる。遠くからこっちに向かって走ってくるような足音。

1人になるのが怖くて、なるべく友達と帰るようにした。

2/4
コメント(4)
  • 面白かったです!(^^)

    2025/06/04/08:56
  • お面白かった

    2025/06/04/11:57
  • 後ろを見たくなくなった

    2025/06/05/13:27
  • 怖かったです

    2025/07/10/11:29

※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。

怖い話の人気キーワード

奇々怪々に投稿された怖い話の中から、特定のキーワードにまつわる怖い話をご覧いただけます。

気になるキーワードを探してお気に入りの怖い話を見つけてみてください。