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呪い・祟り

どこかで見た話さんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

禊
短編 2025/06/02 11:28 3,146view
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廉の目が、今度は私の背後の障子を見ていたからだ。
障子の向こうには、誰もいない──はずだった。

その晩から、変化が始まった。

廊下の端に、小さな足音。
畳の上に、足跡のような濡れ跡。
鏡に、私の背後で笑う“白い子供”が映る。

夢に廉が出てくる。
声を出さず、笑いながら口を開ける。
その口は──喉の奥まで、“歯がない”のに、笑っている。

目が覚める。
だが、夢が終わっていない。

枕元の畳が、重く、凹んでいる。
天井の隅から、誰かが覗いている“音”がする。

再び祓いを試みた。
だが、詞の最初の一文字が、どうしても出ない。

喉に手をやると、舌が動かない。
舌の根元に、何か冷たい指が絡みついていた。
内側から。

「廉の中ではなかったのか……?」
違う。
──“廉は器”だった。
本体は、すでに私の中にいたのだ。

そして、あの夜。

儀式の最中、部屋の鏡に映ったのは──廉ではなかった。
いや、“廉だったもの”の残骸だ。

白く濁った目、耳のない頭、裂けた口から黒い煙を吸い込む何か。

私は叫んだ。

「祓え──!!」

だが四隅から、重なった声が聞こえた。

「──おまえが開けた」
「──おまえが差し出した」
「──おまえが招いた」
「──おまえが、最初だった」

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コメント(1)
  • ふざけんなぁぁぁぁぁぁぁ人生おわた⭐︎

    2025/06/20/20:55

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